JARとWARの違いを初心者向けに徹底解説

Javaの開発において、アプリケーションをパッケージ化するための形式として、JAR（Java ARchive）とWAR（Web Application ARchive）がよく使用されます。これらはどちらもアーカイブファイルですが、それぞれの目的や使用シナリオに応じて異なる特性を持っています。

本記事では、JARとWARの違いについて、初心者向けに詳しく説明します。

JARとは？
WARとは？
JARとWARの主な違い
使い分ける方法
まとめ

JARとは？

JAR（Java ARchive）ファイルは、Javaクラスファイル、リソースファイル（画像、プロパティファイルなど）、およびメタデータを圧縮したアーカイブファイルです。

JARファイルは、Javaプログラムを実行可能な形式にパッケージ化するためによく使用されます。

目的：Javaクラスファイルやリソースを1つのアーカイブファイルにまとめることで、配布やデプロイメントを簡素化します。
使用シナリオ：デスクトップアプリケーション、ライブラリ、ツールなど、ウェブサーバー以外で実行されるJavaプログラム。
構造：JARファイルには、クラスファイル、リソースファイル、およびMANIFEST.MFファイル（メタデータファイル）が含まれます。

myapp.jar
├── META-INF/
│   └── MANIFEST.MF
├── com/
│   └── example/
│       └── MyClass.class
└── resources/
    └── config.properties

WARとは？

WAR（Web Application ARchive）ファイルは、ウェブアプリケーションをパッケージ化するためのアーカイブファイルです。

WARファイルは、サーブレットコンテナ（例: Apache Tomcat、Jetty）上でデプロイされるウェブアプリケーションを含んでいます。

目的：ウェブアプリケーションのコンポーネント（サーブレット、JSP、静的リソース、ライブラリ）を1つのアーカイブファイルにまとめることで、デプロイメントを簡素化します。
使用シナリオ：サーバーサイドのJavaウェブアプリケーション（例: eコマースサイト、企業内アプリケーション）。
構造：WARファイルには、ウェブアプリケーションのディレクトリ構造と、必要なリソースファイルが含まれます。

myapp.war
├── META-INF/
├── WEB-INF/
│   ├── web.xml
│   ├── classes/
│   │   └── com/
│   │       └── example/
│   │           └── MyServlet.class
│   └── lib/
│       └── library.jar
├── index.jsp
└── static/
    └── style.css

JARとWARの主な違い

目的と使用シナリオ:
- JAR：一般的なJavaプログラムやライブラリをパッケージ化し、ウェブサーバー以外の環境で実行されるアプリケーションに使用されます。
- WAR：ウェブサーバー（サーブレットコンテナ）で実行されるJavaウェブアプリケーションをパッケージ化するために使用されます。
構造:
- JAR：シンプルなディレクトリ構造で、クラスファイルやリソースファイルを含みます。MANIFEST.MFファイルが含まれ、エントリーポイントを指定することができます。
- WAR：ウェブアプリケーション固有のディレクトリ構造で、WEB-INFディレクトリ内にweb.xml（デプロイメント記述子）やクラスファイル、ライブラリが含まれます。
デプロイメント:
- JAR：ローカルのJava環境（例: JVM）で実行され、デスクトップアプリケーションやスタンドアロンツールに使用されます。
- WAR：サーブレットコンテナ上にデプロイされ、ウェブサーバー経由でアクセスされるウェブアプリケーションに使用されます。

使い分ける方法

プロジェクトの種類や要件に応じて、JARファイルとWARファイルのどちらを使用するかを選択することが重要です。

デスクトップアプリケーションやライブラリの場合：JARファイルが適しています。例えば、単一のプログラムやツール、再利用可能なライブラリを他のプロジェクトで使用する場合です。
ウェブアプリケーションの場合：WARファイルが適しています。例えば、サーブレットコンテナ上で動作するウェブアプリケーションやウェブサービスを提供する場合です。

具体的な例を挙げると、JARファイルは、GUIを持つJavaデスクトップアプリケーションや、他のJavaプロジェクトで使用されるライブラリに使用されます。

一方、WARファイルは、企業内の業務システムやeコマースサイトなどのウェブアプリケーションに使用されます。

まとめ

JARとWARは、どちらもJavaアプリケーションをパッケージ化するための形式ですが、その目的や使用シナリオに応じて異なる特性を持っています。

JARファイルは一般的なJavaプログラムやライブラリをパッケージ化し、WARファイルはサーブレットコンテナ上で動作するウェブアプリケーションをパッケージ化します。

プロジェクトの種類や要件に応じて、適切なパッケージ形式を選択することが重要です。

【Java】JARとWARの違い